6月後半戦 1839峰

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早いもので今日で6月も最終日。

いつもの事ではありますが、6月からの夏の仕事が始まるとこんな感じで夏があっという間に走り去っていきます…🏃‍♂️💨

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さて、繁忙期スタートにして最大の仕事とも言える1839峰へ行ってきました。予備日を含めて持ち時間は5日間。天候が良ければ予定通りなのですが、奥深いこの山、そう簡単には行きません。

上二股への沢歩き。

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今回は2日目にしっかり目の雨予報。その後特別良い予報ではありませんでしたが、様子を見ながら何とか行けそうな予報につき入山。

初日は上二股まで入り、C1。

2日目は予報通りの雨につき停滞☂️🏕 C2。

雨は特別強くはありませんでしたが、断続的に降り続き、半日以上すると歩いてきた沢はしっかり増水☔️

これを見越して飲料水は事前にたっぷり確保OK⭕️

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3日目。明け方に雨はほぼ止み、ヤオロマップ岳のABCを目指してスタート🥾 夏尾根への取り付き部分は、去年か一昨年に笹刈りが行われ、快適にそして有難く歩かせていただきました。

雨の後という事で、一番気掛かりだったダニはほとんど姿を見せず。乾いているルートも有難いですが、雨具を着用して濡れるけどダニが居ない方が良いかも…。難しいところです。

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夏尾根の頭に上がり稜線に出るも雲の中の強風🌬

風をかわせる地形も少なく、短めの休憩で淡々と這松の藪漕ぎを進みました。

濡れるし、風も強いし、寒いんです。先頭で歩く僕らは。。。

けどこういう時に皆さんに聞くと、大した寒くないと言うご返答がほとんどなので、いつも心配になります。

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過去にトムラウシ山での大型遭難事故があった際に自分の中で教訓を得まして、10の法則と名付けました。

①気温10℃を下回る。

②風速が10m/sを超える。

③強さに関わらず雨が降る。

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この条件に当てはまる際に、大雪山では停滞を決めます。過去に2度停滞を決めたのですが、翌日には朝早くからヘリが飛び、低体温症で遭難した方のレスキューが行われていました。

そして残念な事に、2度ともその遭難した方は亡くなっていたのです。

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自分自身はとても寒がりなので、特に感じていますが、人間そんなに強くありません。

過去にはなかなか悪い凍傷も経験していますが、低体温症がだいぶ進むと対処するための判断、頭の回転も遅くなり、自身の危機感が薄れます。

また、手が痺れてくると作業が思うように出来ず、益々対応が悪くなり事態は深刻化します。

低体温症の症状が進むと、歩く事が出来なくなり、テントを張って保護、着替え、加温、保温が出来ないと回復させられません。また回復したとしても、自力で下山出来るかは分かりません。

悪い事態を知っているだけに、皆さんにはいつも、何度も問いますが、事故を未然に防ぐためのことなので、どうかご理解ください。

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話が逸れましたが、何とか無事にヤオロマップ岳のテント場へ到着。強い風に晒されながらも何とかテントを張り中へ避難していただきました。

稜線の風はやはり強い🌬 アライテントのベーシックドームは付属品でインナーフレームがあるのですが、大活躍でした。テント内の空間も広がり、風に対してしっかりするので、快適性もアップします。いつ吹くか分からない風にも対応してくれる優れものです。

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ヤオロマップのテント場では、東側へ150m程下ると湧水が手に入ります。皆さんの水筒もお借りして峻と二人、約25Lを汲み上げました。小一時間掛かりますが、稜線に重い水を上げるよりは楽だと考え、いつも命の水を汲みに下ります。

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テントに戻るとやはり皆さん濡れていたので寒がっていました。僕らもほぼ全損状態。

テント内で火を焚いて暖を取り、暖かい飲み物を沢山飲みました。燃料も余分に持ってきているので、衣類が乾くまでしっかりと。リセット完了✌️

体温も上がり、衣類も乾き、暖かい夕食を食べ終えた頃、外気温が下がったためか急に展望が良くなりました🌞

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ヤオロマップのテント場⛺️
南日高方面。正面にルベツネ岳。
中央付近の黒い点は熊の親子
1839峰(右)

思い掛けないマジックアワーのプレゼント🎁

ここに居なければ見られない素晴らしい景色を、日の入りまで存分に楽しませて貰い、就寝💤

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4日目。早朝起床。天気予報では午前中の早めの時間まで晴れ。このタイミングを逃すまいと明るくなる頃には出発。

藪の道を進む。

予報通り、次第に回復していく感じがあり、この5日間では1番の天気に恵まれながら山頂を目指しました。

前衛峰より1839

この日も別の熊がこの左の谷に姿を見せました。遠くに居ましたが、僕らの声に反応してこちらを見た後、雪渓から藪へと姿を消しました🐻

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両サイドに日高南北の大展望を楽しみながら、山頂へ到着。ここまでの頑張りがこの時間に凝縮されてました!

大変お疲れ様です!けれどここは折り返し地点。

しばしの間だけ気を緩めての休憩。

後半戦へ向けて気持ちを作り直します。

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奥にカムエク。
ここから見るカムエクの姿が好きです。

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折り返してすっかり上手になった藪とのお付き合い。登頂で元気も貰い、順調に歩みを進める事が出来ました。

しかしながら、テントに戻ってからはまたガスと強風の中の稜線。荒れる予報のため稜線からは何とか下がりたい。。。

アタックに予定より時間がかかってしまったので、汲み上げた水をみんなで分担し、上二股でのC4を諦め、夏尾根の1305での幕営に変更。

無事に到着し、気持ちも緩めてゆっくり休みました。水もお陰様で翌朝分まで足りて朝夕の食事にお茶まで予定通りにご提供する事が出来ました。

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5日目、最終日。起床時の身体中の痛さはシーズンNo.1?

この日もまた雨が降る予報だったので、油断する事なく早朝出発。あんなに苦労して登った夏尾根でしたが、下りは淡々と。

水位もある程度下がっており、沢歩きも順調に下り、無事の下山となりました。

ヒダカイワザクラ🌸

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5日間をフルに使っての山行。

ご参加のお客様方には事前に、そして逐一お伝えをしていましたが、天気予報も決して良いラインナップとは言えず、また要所で撤退の判断もあるという条件付きの行動でしたが、何とか行ってくる事が出来ました。

特にヤオロマップでの稜線泊と、アタックまでは最高の天気に恵まれ、本当に幸運でした。

お疲れ様でした!

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